現在行われている治療法低分子薬物療法
ライソゾーム病に対する低分子治療薬として,基質合成抑制療法とシャペロン療法がある.基質合成抑制療法は,セラミドからグルコシルセラミドを合成するグルコシルセラミド合成酵素に対する阻害活性をもつ低分子化合物を用い,ライソゾーム内の蓄積基質を抑制する方法で,わが国ではゴーシェ病とニーマン・ピック病C型に適応がある.シャペロン療法とは,標的とするライソゾーム酵素に特異的に結合する低分子化合物を用い,変異酵素蛋白質を構造的に安定化することで,酵素活性を上昇させ,ライソゾーム内の蓄積基質の分解を促進する方法である.ともに経口治療薬で,酵素補充療法と比べ点滴静注による投与が不要であることや免疫系の問題がないなどの利点がある.また,血液脳関門を通過する化合物においては,脳病態に対する治療効果が期待されている.
低分子治療薬には2種類ある。
基質合成抑制薬
- MIGLUSTAT -ゴーシェ病、ニーマンピツクC病(商品名 ブレーザベス)
- Eliglustat tartate(商品名:サデルガ) -ゴーシ病