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ライソゾーム病に関して

GM1-ガングリオシドーシス

1.概要、欠損酵素

本症の原因はライソゾーム酵素の一つである、ベータガラクトシダーゼが欠損することにより、その基質であるGM1-ガングリオシドやアシアロGM1-ガングリオシドなどの糖脂質が脳や内臓(肝臓、脾臓)などに、またケラタン硫酸などのムコ多糖が骨に蓄積する疾患である。本症は、1959年Norman博士がテイ・ザックス病の特殊型として報告したのが最初である。蓄積物質の同定は1965年にO’Brien博士らによってなされ、欠損酵素は、1968年O’Brien博士と岡田博士によって発見された。

2.遺伝形式

常染色体劣性遺伝形式をとる。

3.分類

乳児期早期から発症し、痙性対麻痺をはじめ広汎な中枢神経障害、眼底のチェリーレッドスポット、肝脾腫、骨の異常を伴う乳児型(1型)、幼児期から発症し、中枢神経障害が進行する若年型(2型)、さらに学童期から構音障害などの症状が現れ、錐体外路症状が中心となる成人型(3型)の3型がある。さらに、稀ではあるがまったく中枢神経症状を伴わず骨のみの症状を呈するモルキオ病B型も同じ酵素の欠損で発症する。

4.人種差、発症頻度

発症頻度は明らかでない。乳児型の頻度が他の型よりも多い傾向がある。マルタ島での頻度が高いとの報告がある。日本では成人型の頻度が比較的高い。

5.症状

乳児型(1型) 乳児期早期に哺乳不良が出現し、腹水や四肢の浮腫が出現することもある。3ヶ月から6ヶ月以内に発達の遅れが目立ちはじめ、音への驚愕反応を呈することもある。腱反射が亢進し、強剛痙縮が強くなってゆく。しばしば、痙攣を伴う。眼底のチェリーレッドスポットがあれば診断の有力な情報となり、角膜の混濁をしばしば伴う。肝脾腫が目立ち、骨の異形症が進行する。粗で厚い皮膚、前頭部突出、歯肉の肥厚なども伴う。このような典型的な症状が目立たない患者もしばしば存在する。
若年型(2型) 1歳前後から症状が発症し、2歳以降に神経症状が進行し歩行不能になり、痙れんなどの症状があり退行を示すことが多い。肝脾腫やチェリーレッドスポットなどもほとんどなく、骨変形もほとんど目立たない。
成人型(3型) 知能の障害は少なく、ジストニーなどの錐体外路症状が強い。構音障害などの症状が初期に目立つことも多い。肝脾腫やチェリーレッドスポット、骨変形なども目立たないことが多い。
モルキオ病B型 日本人の患者は見つかっていない。中枢神経症状はなく骨変形が強い。

6.診断

白血球、リンパ球、皮膚繊維芽細胞中のベータガラクトシダーゼ活性を測定することにより診断が可能である。通常、正常の7%以下である。遺伝子診断も可能である。日本人では、若年型患者さんにR201Cの遺伝子異常が多い。また、日本人の成人型ではほとんどの患者さんにI51Tの遺伝子異常が見られる。

7.治療

骨髄移植も試みられているが、効果は乏しく現在のところ有効な治療法がない。ケミカルシャペロン法(今後行なわれる可能性のある治療法を参照)の開発が進められており今後期待される。

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